慶應義塾図書館旧館について

慶應義塾図書館旧館について

本展示館は、慶應義塾図書館旧館に置かれています。曾禰達蔵・中條精一郎の設計によるゴシック様式のこの建物は、明治45年(1912)4月、慶應義塾創立50年記念の寄付金によって建てられました。その瀟洒で華麗な外観から、慶應義塾のシンボル的存在として愛されています。 

しかし、この建物は、大正12年(1923)9月の関東大震災で大きく損傷し、八角塔は一度解体されました。また、昭和20年(1945)5月の米軍による空襲では、本館部分(大閲覧室や事務室、ステンドグラスなど書庫以外の部分)を全焼、書籍にも被害が出ました。そのたびに修復を重ねて建物は守られ、昭和44年(1969)には国の重要文化財に指定されました。昭和57年(1982)に図書館新館が開館したことに伴う改修工事で、戦後形状が大きく変わっていた屋根を復旧し、本館部分の用途を変更。平成28-30年(2016-19)にかけて免震化工事を実施し、あわせて外装も修復されました。

展示館に改装された旧大閲覧室は、開館以来学生の読書の場として親しまれてきましたが、昭和57年(1982)からは大会議室に改装され、学生のみならず一般に開放される機会もほとんどありませんでした。今後は図書館旧館の内部の一部も広くご覧頂くことができます。