2025年度秋季企画展 北澤楽天と近代日本──福澤諭吉、MANGAの扉をひらく──

2025年度秋季企画展
北澤楽天と近代日本──福澤諭吉、MANGAの扉をひらく──

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開催概要

会期 2025年10月16日(木)~12月13日(土)

休館日 日曜日、祝日(11月23日、24日は開館)、11月20(木)、11月25日(火)

会場 図書館旧館2階 慶應義塾史展示館 企画展示室

開館時間 10:00~18:00

入場料 無料

日本人よ、笑え!
今や世界で通じるMANGA=漫画に、今日の意味を与えたのは、福澤諭吉が創刊した日刊新聞『時事新報』です。漫画を『時事新報』の名物に育てたのが、日本近代漫画の祖と呼ばれる北澤楽天(1876~1955)です。楽天の漫画というと政治風刺に目が行きがちですが、実はその独自性は、家庭で誰もが楽しめる娯楽としての漫画の開拓という点にもあります。そして、その原点には、日本人の生活に笑いと団欒を創造しようとした福澤諭吉のユーモアへの挑戦がありました。福澤とMANGA── 一見全く結びつかないその知られざる結びつきを、漫画の先駆者、北澤楽天の模索を通して炙り出します!

関連イベント

《応募方法》
  ①展示館内特設応募箱
  ②郵送: 〒108-8345 東京都港区三田2-15-45
       慶應義塾史展示館「楽天からの挑戦」係宛
  ③スキャン画像データをメール添付: info@history.keio.ac.jp 宛

主な展示品

  1. 福澤諭吉英文笑話翻訳原稿「容易なる決断」明治24年(1891)
  2. 今泉一瓢作錦絵「北京夢枕」明治17年(1884)
  3. 北澤楽天作時事新報画付録「やまとひめとブリタニヤ」明治35年(1902)
  4. 北澤楽天筆時事漫画原画「丁野のそら涙」昭和3年(1928)
  5. 北澤楽天筆時事漫画原画「晩年の福澤先生」昭和6年(1931)
  6. 写真 時事新報社での北澤楽天
  7. 板倉卓造宛北澤楽天書簡 昭和26年(1951)10月1日付
     (資料1~3・7慶應義塾福澤研究センター蔵、資料4~6さいたま市立漫画会館蔵)

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1.福澤諭吉英文笑話翻訳原稿「容易なる決断」明治24年(1891)
2.今泉一瓢作錦絵「北京夢枕」明治17年(1884)
3.北澤楽天作時事新報画付録「やまとひめとブリタニヤ」明治35年(1902)
4.北澤楽天筆時事漫画原画「丁野のそら涙」昭和3年(1928)
5.北澤楽天筆時事漫画原画「晩年の福澤先生」昭和6年(1931)
6.写真 時事新報社での北澤楽天
7.板倉卓造宛北澤楽天書簡 昭和26年(1951)10月1日付

2025年度秋季企画展図録
「北澤楽天と近代日本──福澤諭吉、MANGAの扉をひらく──」

¥2000(税込) A4判 132頁
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福澤諭吉記念慶應義塾史展示館の2025秋季企画展「北澤楽天と近代日本―福澤諭吉、MANGAの扉をひらく」(2025年10月16日~12月13日)の図録です。今や世界で通じるMANGA=漫画に、今日の意味を与えたのは、福澤諭吉が創刊した日刊新聞『時事新報』でした。そして漫画を『時事新報』の名物に育てたのが、日本近代漫画の祖と呼ばれる北澤楽天(1876~1955)です。日本人の生活に笑いと団欒を創造しようとした福澤、政治風刺だけでなく家庭で誰もが楽しめる娯楽としての漫画を開拓した楽天。両者をつなぐ試みを多彩な図版でご覧いただけます。貴重な楽天直筆の原画を含む展示作品が完全収録されています。

目次(抜粋)

1 笑う福澤諭吉
2 北澤楽天、現る!
3 楽天のレガシー

北澤楽天ゆかりの地

日本の漫画がマンガ、MANGAへ (ヒサクニヒコ)
北澤楽天を囲む人たち (今井隆太)
『時事新報』における「漫画」の初出とその意義 (都倉武之)

<ページ見本>

懸賞チャレンジ「楽天からの挑戦!」
審査結果発表!

開催中の企画展「北沢楽天と近代日本」の関連イベントとして募集した懸賞チャレンジ「楽天からの挑戦!」に多数のご応募をありがとうございました。厳正な審査の結果、一般部門・小学生部門それぞれ金銀銅賞及び入賞作品を選出いたしました。該当の方々には慶應グッズをお届けします。また、ご応募頂いた全参加者にも参加賞をお届けします。お手元に届くまで今しばらく時間を頂きますが楽しみにお待ちくださいね。

《一般部門》

– 入賞 –

講評

一般部門の総応募数は64点。とても画力のある力作が揃いました。金賞はS字の使い方が見事な美しい作品です。銀賞はユニークな世界観をびっしりと丁寧に描き込んでいます。銅賞は今年の暑い夏や熊騒動といった時事性のある楽天展に響き合う内容を持っています。扇風機は着想の妙。素朴な筆致ですが音が聞こえてくるようです。熊は、きわどいテーマですが、節度ある表現と課題の巧妙な取り込みで評価されました。応募作品の全体を見回しますと、S字を口に見立てた作品が多かったので、それ以外の使い方をしたもののオリジナリティーが高く評価されました。たくさんのご応募、本当にありがとうございました。

《小学生部門》

– 入賞 –
(五十音順)

講評

小学生部門の総応募数は173点でした。小学生ならではの面白い着想と観察眼を感じられる作品が多数見られました。金賞は2年生の作品。今回の展覧会の主役を大胆に描いてくれたことに加え、なかなかよく似ているうまさも評価されました。そう、楽天先生は丸眼鏡ですね。独自アレンジの蝶ネクタイも、とても似合っています。単純な着想のようですが、全応募作品中で楽天を描いてくれたのはこの一枚だけでした。銀賞は4年生の作品。○を天体に見立てる作品は多くありましたが、こちらは太陽と月、そして遙かに地球が見え、徹底しています。主役で細かく描いたH3ロケットでは無いところに使っているのもユニークです。銅賞は1年生。漫画というものが本来持つ平和的な世界観を素直に表現してくれたとてもかわいらしい作品です。その他の入賞作品も、小学生らしいスポーツや昆虫、宇宙やメカに関する作品など多様な顔ぶれになり、笑顔になります。一生懸命描き込んでくれた熱量や「そこに当てはめてきたか!」(ミツバチの花粉団子、89=野球、ダンゴムシ、飛び出た目玉…)といった驚きのある作品が選ばれました。たくさんのご応募、本当にありがとうございました。