春季企画展関連イベント 「ギャラリートーク」を開催しました!
2025年7月17日、慶應義塾史展示館春季企画展のギャラリートークを開催いたしました。蝉の声が聞こえるようになった晴天の三田山上に、定刻20名ほどが集まり、当館副館長都倉武之の解説に熱心に耳を傾けていらっしゃいました。
参加者の多くは、本展で取り上げた三兄弟のうち三男・上原良司を『きけ わだつみのこえ』で知っていてご来館された様子で、良司の新たな一面に強い関心を寄せていました。有名な遺書を残した良司に限定せず、上原家のルーツや三兄弟それぞれの個性まで紹介され、筆まめで膨大な資料を残した上原家だからこそ、その一家に与えた戦争の影響を詳細に追うことができる点が解説されました。膨大な戦前の資料が残されている一方で、戦後の80年間、あれだけ賑やかに営まれていた上原家の日常が失われ、彼らがいない時間が過ぎていったこと、つまり「ない」ものの意味が問いかけられ、上原家をきっかけに戦争によって日本中にこのように「ない」ものが無数に生じたことを想起する必要があると投げかけられました。
次回のギャラリートークは、8月4日(月)の11:00~11:50に開催いたします。春季企画展「ある一家の近代と戦争―上原良春・龍男・良司とその家族―」は、8月30日(土)まで開催しております。皆様のご来館をお待ちしております。




